【感想:映画】ジェーンドゥの解剖
ジェーンドゥの解剖
先日、家族にとある映画を観にいこうと誘われて観にいったのがこれ。
聞いたことないなと調べたら日本で10箇所程度でしか公開されてないという。
不肖私、小劇場系の映画館に行ったことが無いにわかのぺーぺーなため、
「えーそれおもしろいの…?」
というノリで観にいってみましたらこれが結構おもしろい。
以下ネタバレあり
【ざっくりあらすじ】
田舎で検死&埋葬業を営む父子の元へ届く
不審な事件で発見された不気味な死体「身元不明(ジェーンドゥ)」
こいつを朝までに解剖して正体突き止めろって話なんだけど、
死体なのに血は吹き出るわ、舌はちぎれて内臓焼け爛れてるのに肌が綺麗だわ、
めちゃくちゃ不気味な代物なのである。
…とまあそんな死体を解剖していきつつ、死の謎を解明していくお話なのだが、
後半、肋骨を覆う皮を剥いでからまるで違うテイストになる。
人皮の内側にはびっしりと魔方陣や呪文が刻まれていたのだ。
その瞬間何も無いのに電灯が割れ、他の検死済み死体は起き上がり襲い掛かってくるし、
出口はふさがれエレベーターも停止で、もうオバケホラーラッシュ。
こんなの普通じゃない、常識的考えじゃ駄目だと万事休すな中で、
幻覚のせいで息子の恋人を殺してしまう父親。
絶望的な状況下で「検死をして真相をつきとめるしかない」とジェーンドゥの解剖を再開する。
脳液をとるとまだ生命活動が続いてることがわかり、
腸から出てきた、これまた魔法陣の刻まれた麻布から彼女が「魔女裁判で殺された本物の魔女」であることがわかる。
つまり彼女は殺されたのに死なず、周りに呪いを振りまき続けていたのだ!
解決方法は誰かが魔女の痛みを代わりに受けることだ、と考えた父親はすべてを受けて自殺する。
そして外から救援の声が聞こえ、出口へと進む息子。
へとへとの体を引きずりつつもようやく助かった…
…と思いきや突然落下死。
魔女は許してくれませんでした、と。
その後ジェーンドゥは他の州の検死官の下へと運ばれる。
end
【感想】
・良かったところ
いやぁおもしろかった。
特に最初のほうの、解剖しつつ真相解明しようとするシーンの静かな不気味さがたまらない。
ビックリドーン!なシーンもあるのだが、和製ホラー的な「先が見たくないけど行かなきゃいけない…」みたいな怖さがとても良い。
しかもそれまではきちんと分析していけてたのに、皮の内側に紋様が刻まれてたのがわかったシーンのゾクゾクとくる「ヤバイぞこれ!」感。
あとジェーンドゥ役の女優さんの美しさもすごい。
おっぱい丸出しで寝そべってるのにエロいというより妖艶。
グロとのコントラストで大変美しい存在として画面の中で映え続けていたのがよかった。
ああ、グロシーンに関しては相当グロいんで人によって好みかなり分かれそう。
でもとっても美しいので、それを期待してみるのも割と有りだ。
・イマイチだったところ
検死済み死体が起き上がって襲ってくるシーン以降が若干チープというかありがちなんだよね。
それでも静かに「映さない怖さ」を頑張ってたけど、解剖シーンでのゆっくりとした怖さとは質が変わっちゃってたのが、少しだけ減点ポイント。
あとはラストシーンで、足が動いて鈴を鳴らしてしまうところを映したのも減点かな。
この映画、最初から最後ギリギリまで「ジェーンドゥ」自身は動かないんだけれども、最後だけ動かしちゃったのがなあ…動かない怖い存在であり続けて欲しかった。
・総評
☆☆☆☆☆ ☆☆☆★★ (8/10点)
非常に良い映画だった。
万人にとはいえないけど、グロ耐性あってホラー好きなら是非見て欲しい作品だ。
90分程度と短くまとまってるのでサクっとみれてオススメ。
・どうでもいいこと
小劇場に初めて行ったのだけれど、意外と人がいてびっくりした。
一日1回か2回しかやってない映画で、しかも全国10箇所程度じゃあそりゃ客集まるのか。
ところで、そこでなんか灰色の修道服きたおばさん集団がいて
「オイオイ解剖ホラー映画をこの人たちがみるのか?」
って思ってたら同日「ローマ法王になる日まで」という映画がやってた様で。
みんなで映画鑑賞みたいなイベントだったんだろうか。そういうのもあるんだなあ。
なんて思いつつエログロ満載映画を満喫したのであった。